2001年9月発行 No.57


長い長い今年の夏も過ぎようとしています。秋はもうそこまで来ているのかもしれません。
さて、暑さもたけなわの7月末、故高木仁三郎さんがスタートさせた 高木学校の公開セミナーに参加し、富山市で原発の各種問題に取り組んでおられる 山本定明さんのお話を聞いて参りました。
『原発防災の問題点〜JCO臨界事故の教訓と未解決の課題〜』 という演題で、一昨年のJCO臨界事故を再度明確な視点をもって検証し、 その後の国を含む関係者の対応等現状を踏まえた上で、あるべき原子力防災を考えて いくとする山本さんのお話を伺うことができました。
さまざまな角度から統計をとり情報公開に努めている外国の事例等、豊富な話題に 触れられたことを大変ありがたく思いました。
なかでも強く私の頭に残ったのは、
@原子力防災は対事故だけではない。常時発生する汚染物質も対象 である。
A周辺に対するリスクを伴う建物を建てるには防災計画が絶対に 必要であり、完全なものが無いのであれば建造をストップさせなければならない。 設置許可申請書を読んでみるとよい。安全協定は当事者間の任意の取り決めなので住民 の力によって変えられるはずだ。
事故の際に事故内容の正確な説明、予想される被害の説明を出来ない事業は 最初から認められてはならない。
BJCOの事故調査については厳正に第三者的に行われたとは言えず 原則に違反している。
とのお話でした。
この国の原子力防災のあり方を根本から見直していく にあたって、私達が持つべき太い骨組みのようなものを見た思いに暑さも忘れた 2時間でした。
夏の疲れが出る頃です。皆様どうかお大事に。
2001年9月 (文責:香田)

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